肌にあう場所
吉沢亮のアサヒビールのCMを見て、活動的に動くならこうだよな、と思うし今こういう時代の流れの中でこのCMを打ってきたんだろうなあと考える。
でもビールはおいしいのだ。
今年特においしかったと思ったビール。
松江に行った時のビアへるん。
好みすぎて取り寄せまでしてしまった。くどくなくてまた飲みたくおいしさ。
松江に行ったのは、カネコアヤノの単独ライブの松江公演が全落ちしたのでとりあえず空気だけでも味わいに行くかと思ったのと初めての場所だったのもあったからだ。
山陰地方独特の交通の弁の悪さが果てしない。
大阪からだと岡山まで新幹線の後、2時間特急やくもに乗る。
松江の温泉目当ての家族を連れて軽い気持ちで向かったが、特急やくもが難敵でこういう時ほどゆっくりと楽しめるなにかを持って腰を据えて旅行をするべきだと思った。
旅行とはそんなものなのにすぐ着くと思ってしまうのは本当によくない。
お酒を飲んだりしゃべったり、うつらうつらしたりで名前しか知らなかった安来を通り抜け、車窓からどこまでも続く宍道湖を眺めてながら、とりあえず出雲大社に行こうと終点出雲まで買った切符で出雲に着いた。
あいにくの雨の出雲大社。大社に近づくたびに雨が降ってくる。
出雲大社は、出雲駅から近いと思わせて意外に遠い。
駅からバスに乗り換え、松江ブリュナリーを通り抜けて静かな出雲大社に着いた。
門前の前には宝くじ売り場、宝くじ売り場の横にはクラフトビールのお店、スタバより混んでいるおしゃれなお蕎麦屋、雨なのかさらさらやる気があまり感じられないかき氷屋さん、一畑電車の駅の綺麗なステンドグラスの構内。
新しいものと古くから培われたものが混在している。雨けぶる出雲大社だった。
松江に戻るとこの夜はちょうど、灯篭祭りが開催中で松江城の堀で堀川巡りが行われていた。
霧雨の中それに乗り、普段では体験できない(普段は夜運行がなく雨が降っている)のでカメラのフラッシュと岸の灯籠の光の乱反射できらきらしていた。
この灯篭祭りは松江城を見下ろす城下で行われ、ちょうどカネコアヤノのライブはその松江城の迎賓館のような有権文化財の興雲閣で行われていて、おそらく松江城の堀に浮かぶ夜の船のライトを見ながらライブを行ったんだから、それは素敵なものだったんだろう。
日程調整もおそらく合わせて来て、幻想的なものを見せてくれたんだろう。
次の日は前日の雨模様から一転して晴れ模様。
松江城の天守閣へ登る階段が凄まじく急で手すりがないと転げ落ちそうな気分だったが天守閣へ登った後の開放感が爽やかだった。
小さな子供が、急な下り階段を自分が降りる!と叫んでトルネードのように床をくるくる回っていたのに、いざ一歩降りた瞬間、自力で降りることをあきらめお母さんに抱っこされているのが微笑ましかった。
あの急階段を片手で子供を抱きしめ降りる母は強い。
その子供は、城から降りてアイスクリームをにこにこと食べていた。
冷やしぜんざい。
甘さ控えめでおいしかった。
松江で1番これは、また飲みたいと思った「どじょう掬いまんじゅうに合う紅茶」。
いつの間にか、かわいい要員に入れられたどじょう掬いまんじゅうの戸惑いが感じられる。
今と違う都市に住むなら松江がいいかもしれない。
これからしばらくして、偶然お知り合いになった方がこの島根あたりの人でいろいろ話しているとやっぱり島根はほどよく田舎でほどよく都会の過ごしやすいところなんだと教えられた。
また島根に行きたい。